サウジアラビアと国境を接し、アラブ半島の南西部に位置するイエメン。紅海とアラビア海に面し、古代には海上交易の中心地として栄えました。特に南西部にあるモカ港はイエメンはもとより紅海を挟んだ対岸のエチオピアのコーヒー豆もこの港に集積され、主に15世紀から17世紀にかけてアラビア商人により世界中に広められました。現在ではこの港は使用されていないものの、コーヒーを代表する名称として今なおイエメン、エチオピアのコーヒーに使用される事が多くあります。イエメンは北部砂漠地帯と西部山岳地帯に分かれており山岳地帯では降水量も多く、古くから段々畑状の農園でコーヒーの栽培が行われてきました。山岳地の標高は高いところでは2,000ⅿにも達し、海からの暖かく湿った空気が霧を多く発生させます。また昼夜の気温差が非常に大きく、品種改良のほとんど行われていないコーヒーは独特の風味特性を持っており、外見は多くの欠点豆が含まれているものの、他の産地では感じることの出来ない味の特徴を持っています。ソフトな酸味とフルーティーな香り。ワインの様な余韻の長い風味。コーヒーの発祥の地として名高いエチオピア産のコーヒー以上に、世界にまだ知られていなかった頃のコーヒーの味を感じることが出来るかもしれません。
内陸の山岳地方に広がる段々畑。手摘みされたチェリーをゆっくり天日乾燥。
ソフトな酸味とフルーティーな香り。ワインの様な余韻の長い風味。
素朴でありながら気品のある味わい。
soft acidity / fruity aroma / finish like wine flavor